浦安の海岸線(テトラ帯)は、釣り人にとって非常に魅力的なポイントです。しかし、ご存知の通り、浦安の海岸線はほぼ全てが厄介なテトラ帯に覆われています。

シーズン中に釣りに行くと、実に多くの人たちが柵を乗り越えてテトラ帯に立ち入って釣りを楽しんでおり、「結局どこまでがOKなの?」と迷う方も多いはず。今回はその法的背景を整理しました。

1. 浦安テトラ帯を制限する「法律」の正体
浦安の海岸線の多くは、主に以下の法律に基づいて管理されています。
| 法的根拠 | 管理者 | 理由と内容 |
|---|---|---|
| 海岸法 | 千葉県(葛南土木事務所) | 防波堤やテトラは「高潮から街を守る施設」であり、人が歩く場所ではないため。安全確保を理由に制限されます。 |
| 軽犯罪法 | (警察) | 管理者が掲示や柵で「禁止」を明示している場所に侵入する行為(第1条32号)が対象となります。 |
| 港湾法 | 千葉県(港湾管理者) | 千鳥地区などの物流拠点では、保安上の理由(SOLAS条約等)から厳格に立ち入りが禁じられています。 |
2. 「開放区域」と「制限区域」の見分け方
浦安市では、千葉県から許可を得て、市が管理する形で一部の護岸を一般開放しています。ここが「入れる場所」と「ダメな場所」の分かれ道です。
【開放区域】(例:日の出・明海・千鳥の一部):
市によって遊歩道や転落防止柵が整備されている場所です。ここでは歩行や(ルールを守った上での)釣りが認められています。
Screenshot[/caption]
【制限区域】(柵が未整備のエリア、テトラ帯そのもの):
高洲海浜公園の奥は柵などが未整備で、立入が禁止されています。しかし、実際にはこのように多くの人がこのエリアに立ち入っています。

また、たとえ護岸が開放されていても、「柵を乗り越えてテトラに降りる行為」は、依然として海岸法に基づく「危険な行為」として禁止されています。

実際、テトラ帯への立ち入りは、県のHPに明確に禁止事項として記載されています。以下は千葉県の管理課のHPの記載です。

立ち入って捕まった場合のリスク
浦安のテトラ帯(海岸保全区域)に立ち入ったて捕まった場合、法的には、「軽犯罪法」または「海岸法」、そして状況によっては「刑法」に基づく罰則が適用される可能性があります。
1. 軽犯罪法違反
最も適用される可能性が高いのがこれです。千葉県(管理者)が看板や柵で「立入禁止」を明示しているテトラ帯に侵入した場合に該当します。
-
条文: 第1条第32号「入ることを禁じた場所等への侵入」
-
罰則: 拘留(1日以上30日未満の拘束) または 科料(1,000円以上10,000円未満の支払い)
-
補足: 金額は少額ですが、警察の取り締まり対象となり、前科がつく可能性もあります。
2. 海岸法違反
テトラ帯は海岸法に基づく「海岸保全施設」です。管理者の命令に従わない場合に適用されます。
-
条文: 第37条の8(管理者の指示・命令違反)
-
罰則: 30万円以下の罰金
-
補足: 管理者(千葉県)から立ち去るよう命令を受けたにもかかわらず、それに従わず居座り続けた場合などに適用されるリスクがあります。
3. 刑法(建造物侵入罪)
テトラ帯そのものよりも、その根元にある管理用の「施設」や、厳重にフェンスで囲われたエリア(千鳥地区の港湾施設など)に侵入した場合に適用されます。
-
条文: 第130条「建造物侵入罪」
-
罰則: 3年以下の懲役 または 10万円以下の罰金
-
補足: 軽犯罪法よりも格段に重い罪です。「鍵がかかっている門扉」を乗り越えて入るような行為は、こちらが適用されるリスクが高まります。
4. 浦安ならではの注意点:SOLAS法(港湾法)
浦安の千鳥地区など、一部のエリアは国際的なテロ対策区域(SOLAS区域)に隣接しています。
-
法的根拠: 国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律
-
罰則: 1年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
-
補足: 非常に厳しい罰則です。フェンスに「SOLAS」「重要港湾施設」といった記載がある場合は、絶対に近づかないでください。
まとめ:罰則以上に怖い「事故」のリスク
法的な罰則はもちろんですが、浦安のテトラ帯で警察や行政が立ち入りを厳しく制限している最大の理由は、「テトラでの転落事故」です。
-
テトラの隙間に落ちると自力での脱出が困難。
-
潮が満ちてくると発見が遅れ、致命的な事故に繋がる。
-
事故が起きると、そのエリアが完全に封鎖され、他の釣り人にも迷惑がかかる。
現在、浦安市は「日の出・明海地区」などのように、「ルールを守れば安全に釣りができる護岸」を整備してくれています。罰則のリスクを負ってテトラに乗るよりも、こうした開放区域で堂々と竿を出すのが一番の楽しみ方と言えます。