ハゼ釣りは、日本の四季を通じて楽しめる手軽な釣りです。ハゼは季節によって生息場所や食性が変化するため、時期に合わせた戦略が釣果を大きく左右します。ここでは、季節ごとのハゼ釣りのポイントを詳しく解説します。
🌞 【夏】デキハゼと戯れる数釣りの季節(7月〜8月)
夏は春に生まれたハゼの稚魚(デキハゼ)が成長し、数釣りが最も楽しめるシーズンです。サイズは小型ですが、そのぶんアタリが多く、初心者やファミリーフィッシングにも最適な時期です。ミャク釣りでは、オモリが直接底に触れている状態で、竿先を上下に動かしながら探る(脈を取る)ことで、ハゼにアピールします。シンプルな仕掛けですが、繊細なアタリを楽しむことができるのが魅力です。
📌 生息域と特徴
この時期のハゼは体長10cm前後と小型ですが、水温の上昇に伴い活性が極めて高く、食欲旺盛です。主要な生息域は、河口の汽水域や内湾の浅場、砂泥質の底、そして護岸の際(キワ)など、水深の浅い場所に密集して寄ってきます。時には水面近くで群れているのが目視できることもあり、魚影を見つけやすいのも特徴です。
特に、潮が引いた時の水深が30cm〜1m程度の場所や、橋脚や岸壁など日陰になるストラクチャー周りに潜んでいることが多いです。
📌 餌
定番のアオイソメやイシゴカイが効果的です。特に、小さいハゼでも食いつきやすいように、生餌を5mm〜1cm程度に短くカットして使うのが有効です。餌が長いとハゼが食い込まず、針掛かりしにくくなります。生餌が苦手な方は、近年人気が出ているボイルホタテや生エビの切り身、鶏のササミを小さくカットしたものも試してみましょう。ルアーで狙う場合は、極小のワーム(2インチ以下)を使います。
竿と仕掛け
デキハゼは浅場にいるため、リールを使わない延べ竿(のべざお)を使ったミャク釣りやウキ釣りが主流となります。シンプルな仕掛けで足元や護岸の際を丁寧に探るのが基本です。
竿の選び方
延べ竿(ノベザオ)ですが、長さ: 1.8m〜3.6mが扱いやすいです。足元を狙うなら短く、少し沖の深場を狙うなら長くします。硬さ: 軟らかい(脈釣用や渓流竿の軟調子)ものが適しています。ハゼの小さなアタリも取りやすく、弾きにくいです。
ライン(道糸)の選び方
素材と号数: ナイロンの0.6号〜1号程度。延べ竿の長さより少し短めにセットします。視認性の良いイエローやオレンジなどのカラーを選ぶと、アタリや仕掛けの位置が把握しやすくなります。
針(ハリ)の選び方
号数: 小型のデキハゼがメインのため、ハゼ専用針の3号〜4号、または袖(そで)針の2号〜3号といった極小サイズの針を選びます。針が大きすぎると、ハゼが餌ごと吸い込めず、アタリがあっても掛かりません。ハゼは口が大きいため、針先が鋭く、飲まれにくい長軸の針がおすすめです。
ハリス止め
糸付きの針を止めるために使うハリス止めです。
🧱 オモリ(錘)の選び方
延べ竿で使う場合は、ガン玉(割ビシ)のB〜3B程度の極小サイズをハリス止めの上部に打ちこむか、中通し錘を使います。中通し錘の重さですが、仕掛けをゆっくり沈め、底をずる引きするのに抵抗がない程度のごく軽い重さが適しています。重すぎると、ハゼが餌を咥えた時に違和感を感じて放してしまいます。0.5gから1g程度が良いはず。
錘とハリス止めが一体化されているワカサキシンカーを使う人もいます。
釣り方
ミャク釣りでは、オモリが直接底に触れている状態で、竿先を上下に動かしながら探る(脈を取る)ことで、ハゼにアピールします。シンプルな仕掛けですが、繊細なアタリを楽しむことができるのが魅力です。
🍁 【秋〜冬】大物を狙う落ちハゼの季節(9月〜12月)
秋はハゼが産卵に備えて活発にエサを捕食し、大きく成長するベストシーズンです。この時期のハゼは体高があり、引き味も良くなります。
📌 生息域と特徴
水温の低下に伴い、ハゼは徐々に深場へ移動し始めます。これを落ちハゼと呼びます。河川の下流、河口付近の深み、漁港の船道など、水深のある場所が主なポイントとなります。サイズは10cm台後半からと大型化し、脂が乗って食味も最高になります。
📌 餌
食いが良いため、引き続きアオイソメやイシゴカイを使用します。ボリュームのある生餌が大型のハゼにアピールします。
仕掛け
深場や沖目を効率よく探るため、リールを使ったちょい投げ釣りが最も有効です。小さめのジェット天秤か、ハゼ天秤、中通し錘の場合はサルカンをつけ、数本針の仕掛けで広範囲を探るのがおすすめです。
それほど遠投する必要はないため、竿は2m前後の投げ竿を使います。
ジェット天秤は小型のものを選びましょう。
ハゼ天秤は以下のような小型の天秤で、状況に応じて錘のサイズを変えられるのがメリットです。
仕掛けは、以下のような2本針が一般的です。5号から7号くらいを、釣れるハゼのサイズに合わせて選びます。
📌 釣り方
仕掛けを沖目に軽く投げ、着底後、底をゆっくりと引きずる(ズル引き)ように誘いをかけます。深場を丹念に探ることで、大型の落ちハゼに遭遇するチャンスが増えます。

また、産卵のために巣穴を掘ったハゼは、日中は巣穴の中にいて、夜になると餌を求めて出てきます。そのため、11月以降の落ちハゼは夜釣りで狙うことになります。










